「自己肯定感」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。自己肯定感を育むことが大事ということは分かっていても、「そもそも自己肯定感ってなんだろう?」「どうやったら伸ばせるの?」と思うママも多いのではないでしょうか。
今回は自己肯定感とは・自己肯定感の高い子の特徴・家庭でできることを解説していきます。
自己肯定感とは?
「自己肯定感」とは、「ありのままの自分を肯定できる」ことです。人と比べて優れているかどうかで自分を評価するのではなく、「自分は大切な存在だ」と思える状態です。
自己肯定感が高い人は、失敗することを恐れずに何事にも積極的に行動することができ、失敗しても落ち込むのではなく「どうすれば良いか」と考えて前に進むことができます。
また自分と他者を比較せず、自分を大切にすることができるので、誰かを妬んだりすることなく、周りの人に思いやりを持って接することができます。
反対に、自己肯定感が低い人は物事をネガティブに捉える特徴があり、失敗を恐れて何事にも消極的になってしまいます。また周囲の目や評価が気になって、落ち込みやすく、自分の意見が言えなくなります。
自己肯定感は育った環境で決まる
自己肯定感は、幼少期の子供の成長する過程が大きく影響します。
子供のうちから「自分はそのままでいい」と感じる経験をたくさん積むことで、自己肯定感の高い大人になります。
逆に、親や先生から怒られたり否定された経験が多くなると「自分なんて」と自己否定の気持ちが強くなっていきます。
幼児期は脳の大半が完成し、自己基盤が形成される時期です。自己肯定感を育てるのは、一生のうちでこの幼児期が最も大切と言われています。
子どもが成長する中で経験したことに大きな影響を受けます。
子どものうちから「自分は大切な存在なんだ」「自分は自分のままでいいんだ」と感じた経験が多ければ多いほど、自己肯定感は高くなります。逆に、周りの大人に叱られることが多いと、「自分はダメな子なんだ」と自分の存在を否定する感覚が強くなってしまいます。
幼少期は性格の基礎が作られる大事な時期。そのため、ママが家庭でも「あなたはそのままでいい」「存在そのものが大切」ということを言葉や行動でくりかえし伝えていくことで、自己肯定感を高めていくことができます。
自己肯定感が高い子どもと低い子どもの違い
自己肯定感はテストの点数ではかることができません。
自己肯定感の高い子どもと低い子ども、それぞれどんな特徴があるのかを具体的にみていきましょう。
自己肯定感が高い子ども
- 自分の意見を素直に話せる
- 積極的に挑戦できる
- ・簡単にあきらめない
- ・人の成功を喜べる
- 友達との関わりが多い
- 何にでも興味関心を示す
自己肯定感が低い子ども
- 失敗をおそれて挑戦しない
- 活気がない
- すぐにあきらめてしまう
- 自分の意見を言わない
- 友達に意地悪をする
- やる気が起きない
知らないうちに子どもの自己肯定感を下げている大人の言動
親が子供のためを思ってかけている言葉や行動にも、知らず知らずのうちに自己肯定感を下げている可能性があります。
子供のことをつい子供を否定するようなことはないでしょうか?
次のような言動をしていないか気をつけましょう。
1、話をきちんと聞いていない
子供は何でもママに聞いて欲しがります。一生懸命伝えようとしているのに聞き流されてしまったら「自分に興味がない」と思ってしまうでしょう。
2、結果ばかりを気にする
テストの点数や、子供の「できた・できない」という結果ばかりを評価していては自己肯定感を高めることができません。結果しか褒めてもらえなければ、結果が出せない自分を「ダメな自分」と感じてしまいます。頑張った過程や、挑戦した気持ちを褒めてあげましょう。
3、子供の行動に口出しする
子供に対して「だめ」「やめなさい」「これにしなさい」などと、口出ししてしまうことがあるかもしれません。小さいうちには危ない行動など制限しなければならない場合ももちろんあります。しかし成長とともに自分、自分が選択をする機会を増やしていきましょう。いつまでも親が子供の行動に対して口を出してしまうと「自分の意見は価値がない」という気持ちを生み、自己肯定感を下げることになります。
4、他の子と比較する
「〇〇ちゃんはできているよ」と、他の友達と比較してしまうことも自己肯定感を下げることになります。
また親自身が「あの子はできているのに」「うちの子は大丈夫か」と心配する気持ちは、子供に伝わります。
本人が頑張っていることや、その子がどれくらい成長したかということに注目していきましょう。
5、厳しく叱る
「子どもが社会に出て困らないように」という気持ちから子供に対して厳しくなってしまうことが誰にでもあるでしょう。しかし、子供の気持ちをしっかりと理解しないまま厳しく叱ってしまうと、子供は自分を否定されたという気持ちが強くなり、自己肯定感が下がります。子供にしつけをするときには「行動」のみを注意するように気をつけ、「存在」を否定しないようにしましょう。
子どもの自己肯定感を育むには
自己肯定感を高めることが大切だということは理解してもらえたと思いますが、子どもを1人の人間として尊重し、その考えや行動をしっかりと受け止めることです。具体的に、家庭ではどのようなことに気をつければよいのかチェックしていきましょう。
1、ママの愛情を言葉で伝える
子供を想う気持ちを言葉で伝えられていますか?大事なポイントは「〇〇が出来たから」「〇〇してくれたから」のような条件を付けないこと。ただただ「あなたが存在してくれるだけで嬉しい」と伝る時間を作りましょう。ありのままの状態を認めてあげることで、子供自信も自分の存在価値を認められ、自己肯定感が上がります。
2、失敗を一緒に受け入れる
子供は挑戦を繰り返すことで成長します。失敗することを恐れないようになるためには、失敗をする経験を積み重ねることが大切です。そしてたとえ失敗したとしても挑戦したことや、頑張った過程をたくさん褒めてあげましょう。
ママが努力を認めてくれるがことが安心感につながり、子供の自己肯定感につながります。
3、命令や否定は避ける
日常の中には大人の思う通りの行動ができない場面が多々あります。ときに親として叱らなければならないこともあるでしょう。
そんな時は「~しなさい」「どうしてあなたは出来ないの」などと、子供を否定したり、命令する表現は避けましょう。子供の気持ちにも寄り添った上で、こちらから提案するように声を掛けます。
AI時代の鍵は「自己肯定感」
ITの進化によって、これからの時代はたくさんの仕事がAIによって変化していきます。目まぐるしく変わっていく社会の中で活躍できる人材になっていかなければなりません。そのためには、ママの声かけによって小さいうちに自己肯定感を高め、失敗を恐れず挑戦できるような心を育みましょう。
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